南西ドイツのウォッチメイカー ユンハンスの魅力 [FAVORITES by JACK ROAD Vol.15]

南西ドイツのウォッチメイカー ユンハンスの魅力 [FAVORITES by JACK ROAD Vol.15]

前回の記事、ノモス・グラスヒュッテから見るドイツ時計の魅力はいかがでしたでしょうか?本日はノモスと同じドイツを出身とするシンプルで洗練されたデザインが印象的なユンハンスに注目してみたいと思います。

ユンハンスの誕生

歴史的に名を世界に馳せるメゾンが多いドイツ。
ユンハンスもそんなメゾンの1つですが、復活ブランドが多い中、ユンハンスの創業は1861年と非常に歴史の長いことが特徴の1つです。
そんなユンハンスはドイツの南東にあるシュヴァルツヴァルト渓谷に工場を構えます。
トウヒの木が生い茂りその景観が黒く見えることから黒い森と異名を持つシュヴァルツヴァルト渓谷は、広く時計を扱うユンハンスにとって置時計の材料である木材を調達するのに最適な場所でした。

腕時計だけじゃない。ユンハンスの技術力

今やドイツ最大級のウォッチメーカーに成長したユンハンス。
実は腕時計以外の時計も数多く世に送り出しています。
1950年代からは初の自動巻きクロノメーターのムーブメントを開発したり、ドイツ軍に腕時計を納品したりとマニュファクチュールブランドとして活躍。
1960年代初頭にはマックスビルとコラボレート。代表作のキッチンタイマーを筆頭に生活時計を数々発表。
腕時計でも現在のマックスビルシリーズのオリジナルモデルを発表しました。

モデル名:マックスビル ハンドワインド 型番:027/3702.00

クォーツショックの波を乗り越えて

1960年代後半に訪れたクォーツショックの波で機械式時計ブランドの多くが衰退しますが、当時ユンハンスはアストロクォーツという自社クォーツムーブメントを開発・量産化でこの危機を回避。さらに1990年代には電波時計の先駆けであるMEGA1を発表していきます。
東ドイツのウォッチメーカーは今まで手法を誇示する中、時代の波を感じてユンハンスは電波時計の開発に力を入れ続けます。
1995年にはアンテナ内蔵型メガソーラーセラミックを発表し、2004年にはマルチハンド対応ムーブメントを開発するなど、次々と電波時計の基礎を築き上げていったのです。
生活に根付く時計を作り続けていたためでしょうか。
いままで構築した自分達の機械式時計へのプライドを捨て、新しい技術を柔軟に取り入れたことでユンハンスは時計メーカーには負の時代と言われるこの時代を凌ぐことができました。

そして2009年には機械式回帰によりメカニカルウォッチに注力し、マイスターシリーズを強化。

モデル名:マイスター クラシック オートマティック 型番:027/4310.00
モデル名:マイスター ドライバー オートマティック 型番:027/7710.00(左)
モデル名:マイスター ドライバー クロノスコープ 型番:027/3685.00(右)

2016年にはマイバッハのダッシュボードにインスパイアされたマイスタードライバーを発表し、シリーズも強化されました。さらに2018年には携帯電話のアプリを使用して世界各地の時刻を同期することのできるマックスビルメガを発表。
これにはセイコーエプソンが開発協力したCal.J101.65を搭載しており、クォーツモデルでありながら電波受信に伴うバッテリー使用をスマートフォンと同期することで抑えるといったカシオでも見られる技術を薄型ムーブメントで実現しました。
電波を受信しないクォーツモードでも年差±8秒と驚異の精度を誇る興味深いプロダクト。
あくまでもこれは願望ですが、近い将来規格が統一され専用アプリからだけでなく、コンビニや駅など様々な公衆インフラと同期できるようになって欲しいと思っています。
そうなったらとても便利だと思いませんか?

モデル名:マイスター クロノスコープ リミテッド 型番:027/4729.01

まとめ

いかがでしたでしょうか。
様々な分野でその高い技術力を発揮するユンハンス、時代の変化による対応力の高さは他のメーカーに比べて群を抜いています。
ドイツ出身を同じくするノモスとは戦略が異なりますよね!
伝統的な手法を頑なに守り続ける匠。東のノモス。かたや最新の技術を組み込み、時代変化という激流の中、業界を華麗に舞い続ける西のユンハンス。
同じドイツブランドですが、方向性は全く異なります。
今後とも両ブランドから目が離せません。

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