ノモス・グラスヒュッテから見るドイツ時計の魅力[FAVORITES by JACK ROAD Vol.14]

ノモス・グラスヒュッテから見るドイツ時計の魅力[FAVORITES by JACK ROAD Vol.14]

今回スポットを当てるのはノモス・グラスヒュッテというブランド。
まだまだ歴史の浅いブランドですので、ご存知でない方も多いのではないでしょうか。
そのシンプルな見た目とは裏腹に奥深い魅力を秘めたノモスの世界を
本日はご紹介していきたいと思います。

ドイツの首都ベルリンからおよそ240km。電車に揺られること約3時間、ラングアンドハイネの本社があるドレスデンを越えると時計の聖地と言われるグラスヒュッテが見えてきます。
グラスヒュッテ駅に隣接する白い建物。そこがNOMOSの工房です。
グラスヒュッテという地はかつてグラスヒュッテ国営時計会社として一緒だったブランドが独立、復興したりと時計産業で賑わっている場所として有名です。
落ち着きのある山間にはランゲ&ゾーネやミューレグラスヒュッテ、グラスヒュッテオリジナルなど業界で名高いメゾンが活動しています。
日本で例えるなら眼鏡作りで有名な福井県鯖江市、タオルで有名な愛知県今治市のような場所と言えるでしょう。

ノモスは1992年にローランド・シュベルトナー氏をはじめとしたわずか3名の時計技師により誕生します。
過度な装飾を避けた実用性重視のデザインを提唱するバウハウスデザインの遺志を継ぐノモス。
シンプルの極みとも言える直線と曲線の組み合わせのユニバーサルデザインが好評となりました。
ドイツ国内の数々のデザイン賞を受賞し話題となったタンジェントをはじめ、シンプルながらこだわりの感じられるシリーズを数多く世に送り出しています。

こちらは後に世界的なデザイナーとして名を馳せるマーク・ブラウン氏によってデザインされたメトロ ネオマティック。
タンジェントに代表されるこれまでのシンプルなデザインから一新、新しい命が吹き込まれました。
その名の通り地下鉄の路線図からインスピレーションを得たポップなカラーリングが印象的なモデルです。
こちらも円と直線のみで構成されており、サイドから見てもデザインの特徴がよくわかりますよね。
ラグがワイヤーラグになっているのも、クラシックなドレス時計には見られないデザイン。
僅かな差ですが、ラグの形でカジュアルなテイストが添えられ、スポーツ要素が見られないモデルでもアクティブな印象を与えることができます。

ダイヤルにも注目してみましょう。
アワーマーカーやミニッツマーカーはドット、スモールセコンドの刻みは直線でデザインされ洗練された印象に。
独特な書体はモデルに合わせてデザインするというこだわりよう。
長短針の形状からも軒並みならぬセンスが感じられます。

デザインだけではありません。世界に誇るその技術力もノモスの魅力なのです。
2005年に自社開発ムーブメントを搭載したモデルを発表し、自社一貫製造を示す「マニュファクチュール」の仲間入りを果たしたノモス。
さらにその後、大手時計メーカーでも自社製造が困難な脱進機やヒゲゼンマイの製造に成功。
今ではパーツの95%を自社で生産しているというから驚きです。
前述のメトロ ネオマティックにもそれらが搭載されています。ノモスの技術力を裏付けるモデルをもう一つご紹介します。
24のタイムゾーンをプッシュボタンの操作だけで切り替えることができるチューリッヒ ワールドタイマーです。
ワールドタイムと24時間表示機構を備えた自社製キャリバーDUW5201が搭載されています。
裏蓋にもドイツ時計らしさを感じられるポイントが。
ロジウムメッキを施したムーブメント表面にグラスヒュッテ・ストライプ仕上げ、およびノモス・ペルラージュ仕上げが施されています。
角穴車と丸穴車はグラスヒュッテ・サンバースト仕上げ。
青焼きヒゲゼンマイを用いたノモススイング システムや自社脱進機からもノモスの開発力の高さが垣間見れます。
ソリッド感溢れる造形美はまさにドイツデザインならでは。
3時位置に配されたホームタイムを示すマークもオリジナリティーに溢れ、新鮮です。

デザイン、精度、コストパフォーマンスなど、知れば知るほど深みにはまるノモスの世界。
グラスヒュッテが時計製造の聖地とまで言われるまでになったのは故「アドルフ・ランゲ」氏の功績といっても過言ではありません。
自社で時計のパーツ製造から組み立てまで、ほぼすべてを完結できるメーカーは世界中を探してもそう多くありません。
今後もノモスはその美しいデザインや高い技術力に裏打ちされた魅力で我々に驚きと感動を与えてくれることでしょう。
是非、一度店舗で実物をご覧になってはいかがでしょうか。

ノモスの腕時計を見る

FAVORITES by JACKROADの他の記事はこちら